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もうすぐ3月。受験生のみなさん、ゴールはもう目の前まで迫ってきました。目標に向かってひたむきに走った“今”は、必ず一生ものの強みになります。今までの努力を信じて、最後まで走り抜けてください!
この記事が、受験に向かうみなさんのエネルギーとなりますように。ささやかな息抜きの時間になりますように。みなさんの頑張りを、私たちも最後まで全力で応援しています。
今回のゲストは、B類家庭専攻4年生・ふーさんです!
ふーさん
趣味は、写真とポストカード集め。マイブームはパン作り。もちもち系の食べ物が好き。
最近の癒しは、愛犬が窓際で日向ぼっこをしている姿を見ること。
東京学芸大学を志望した理由を教えてください!
ふーさん:小学生の時に学芸大学で行われていた書道展に作品を出品していたこともあり、学芸大学は私が初めて出会った「大学」だったんです。それから中高と経験を重ねるにつれて、教員になりたい!という気持ちが生まれ、教育の専門性を身につけられる学芸大学に魅力を感じました。幼いころから身近にありましたし、さらに自分の「やりたい!」を叶えられるぴったりの場所でした。
まさに運命の出会いですね!教員になりたいと思ったきっかけを教えてください。
ふーさん:私にとって友達や先生に会うことができる学校は、「行くと力をもらえる場所」。自分の大切な居場所でした。そんな場所を自分も作れたらいいな、という思いを自然と抱いていたような気がします。
もう一つは、中学校の数学の先生との出会いが大きいです。もともと数学が好きでは無かったんです。でも、いつの間にか「楽しい!」と思えるようになっていて…。その先生は、教科書に載っている解き方を教えるだけでなく、「なぜこの解き方ができるのか」「生活にはどのように生かされているのだろう」と、さまざまな視点から私たちに疑問を抱かせてくれました。今思えば、生じた疑問に対してさまざまなアプローチをしていくことが、ひたすらに楽しかったのだと思います。このような自分の経験から、“教員”という職業は、とても素敵だと思い、私も教員を目指すようになりました。
数学の先生との出会いがきっかけだったとのことですが、家庭科を専攻した決め手は何だったのでしょうか。
ふーさん:元々私は食分野に興味があったんです。幼いころからレシピ本を眺めるのがお気に入りの時間でした。
「生活に直結するような学びをしたい」という気持ちも強くありましたね。そう考えた時、家庭科は、一番に思い浮かんだ教科だったんです。教師として、子どもたちの毎日をちょっとプラスにできるような技術や知識を伝えられたらいいなって。また食に限らず、衣服や住居に関することなど、幅広く学べることも、この教科ならではだと思っています。
2つの出会いが、ふーさんの核を形作っているのですね!では、入試に関してのエピソードをお聞きしたいです!
ふーさん:私は一般受験を経て学芸大学に入学しました。センター試験中心に勉強を進めて、そのあと小論文対策をしました。
二次試験対策は短い時間ではあったのですが、積極的に先生方に添削をしていただいていた記憶があります。年度にもよるのですが、「高齢者の暮らしについて」や「女性の雇用形態について」など、社会科と密接するようなテーマがでることもあり、驚かされました。
学科の魅力について教えてください!!
ふーさん:学芸大学のコースの中でも特に人数が少ないのが家庭科なんです。だからこそ、ディスカッションなどで時間を十分に取ってじっくりとみんなの意見を聞くことができます。同じ家庭科の中でも分野への興味は人それぞれなので、いろいろな価値観に触れる中で、自分の考えの幅が広がっていることを実感できます。
また、実習の授業が多いことも特徴です。先生たちの使う教材は、生徒の興味をうまく引き出してくれる面白い教材ばかり。これをネタにしたら面白そうだな、こんな観点から授業をやってみたいなと、具体的に「なりたい先生像」を思い描くことができる工夫がいろいろなところに散りばめられていて、とても楽しいです!
家庭科の授業、私達も受けてみたくなりました!印象に残っている授業をぜひ具体的に教えて下さい。
ふーさん:特に思い出に残っている授業が二つあります。
一つが「食物学実験実習C」という授業です。この授業では、電子レンジとガスの二通りの方法で、肉じゃがとリンゴジャムを作りました。作り方による違いを、味覚や視覚を駆使して感じられたことがとても印象に残っています。毎日キッチンに立って自炊できることが理想です。でも自分を大切にするためには、時に電子レンジ等便利な技術に頼ることが大切なときもある。この題材には、先生のそんな優しいメッセージが込められていました。
二つ目が「生活環境論」という授業です。換気の効果について、先生手作りの段ボールの家とお線香の煙を使って学んだのですが、目に見えるようにするというちょっとした工夫で、理解度が格段に上がることを体感しました。ちなみに、対角線上に窓を開けて換気すると一番いいらしいので、ぜひ試してみてくださいね!
教育実習を通して学んだこと、気付いたことを教えてください。
ふーさん:実習を通して、生徒について知ることの重要性を強く感じました。伝えたいことがうまく伝わらない難しさもあれば、想像以上に生徒が興味を示してくれたという、嬉しい気付きもありましたね。指導案を作ることはもちろん大切。でも、目の前の子どもたちと向き合いながら授業を作っていくことがどれほど必要なのかを、身を持って感じました。
とても上手に授業をしている仲間の姿を見て、自分にはできないことをしていると、悔しさを感じることもありました。でも自分ももっと頑張ろうと励みにもなりました。大変なことは多かったけれど、教育実習を通して家庭科がより好きになりました。そして、実習前に漠然とあった教員としての理想の姿が、より明確なものに変わりましたね。「こういう先生になりたい。こんな授業をしよう」という覚悟が生まれました。
今後の進路について教えてください。
ふーさん:春からは、家庭科の教員として働きます。もちろん不安なこともあるし、自分は教師に向いていないのではないかと思うこともあります。その中でも、自分は家庭科が好き、という気持ちを原動力に、頑張っていきたいと考えています。
全員の生徒に家庭科を好きになってもらうことは難しいことだと思います。
一人でも多くの生徒に、「家庭科って面白いな」という興味を抱いてもらうことができたらいいなと思っています。卒業後に、「これどこかで習ったな」と、思い出してもらえるような授業ができる先生になりたいです。
受験生に向けて一言お願いします!
ふーさん:私は当時、勉強に「楽しい!」という気持ちを見出したことで、大変な中でもリフレッシュしながら頑張ることができました。もちろん点数を取ることは大事です。でも受験生の皆さんには、その中で、好きだな!楽しいな!と思える科目、分野を一つでもいいので見つけてほしいなと思います。
また、ぜひ自分の中で大切にしたいことの優先順位をつけてみてほしいと思います。受験を控えた今の時期って、大学のレベル、やりたいこと、資格…と、悩むところがたくさんありますよね。私も受験生の時はそうでした。何がベストなのか、正解なのか、分からなくなる時期だからこそ、勉強の合間に、自分の中で大切にしたいことをぜひ一度考えてみてほしいです。
人生の途中で、ふと思い出してもらえるような授業を。生活を少しでも豊かにできるような学びを。インタビューは、子どもたちにそっと寄り添う優しいふーさんの姿が自然と浮かんでくる、そんな素敵な時間でした。ふーさんのお話にあったように、学芸大学は、自分の将来につながるようなヒントがたくさん散りばめられている場所です。今年の春、新入生のみなさんと出会えることを心から楽しみにしています!
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取材・編集/赤尾美優・斎藤育
イラスト/飯島風音・片山なつみ
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