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YOUは何しに学芸へ?
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YOUは何しに学芸へ?
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今年もいよいよ国公立大学の二次試験の時期になりました。受験生の皆さん、ラストスパート頑張ってください!応援しています!
受験を来年以降に控えた高校生もいることでしょう。進路選択をする上で、現役の学生の話を聞いたり大学に足を運ぶのは大きな手がかりとなります。皆さんにとって少しでもこの記事が役に立ちますように…!
3人目のゲストは、E類生涯学習コース・ぼんさんです!
ぼんさん
E類生涯学習コース3年
「しっかりしてるけどちょっと抜けてる」と言われがちな性格。休みの日は音楽ライブやフェスに行ったり、街にある書店や喫茶店巡りをしています。卒業まで残り1年、大学周辺のスポットもまだまだ開拓したい!
学芸大を知ったきっかけを教えてください。
ぼんさん:高校1年生の時に部活の先輩の志望校を聞く中で東京学芸大学という名前を初めて知り、都内にある国立の教育系大学であるという情報を得ました。
学芸大を志望したのはなぜですか。
ぼんさん:“図書館学”という学問を学んでみたかったからです。実は、高校卒業後にリハビリテーションが学べる大学に通っていました。しかし、「自分にはあまり向いていないのかもしれない」と悩むようになり、大学を受け直すことを視野に入れ始めました。そこで、自分の本来の興味関心に立ち返ってみると、「本が好きだな」「図書館によく足を運んでいたな」「中学生の時、司書の先生によくしてもらっていたな」といった記憶に行き着いたんです。“本 図書館 学問”とインターネットで検索したところ、図書館学の存在を知って衝撃を受けました。さらに調べるうちに、学芸大で専攻できると知ったので志望することにしました。図書館学を見つけた日のことはいまでも鮮明に覚えていますね。
図書館学のどこに興味をもったのですか。
ぼんさん:図書館や本はリハビリテーションと根源的な部分が似ている気がしたところです。図書館では居心地のよい空間で、物語や知識の世界に没頭したり心を動かされたりします。リハビリテーションは、患者さんの生きる姿勢や生きがいを生み出すことにもつながります。どちらも「その人の生を肯定すること」に共通点を感じます。
私は、人の生や生きる姿勢を応援したい、支援したい気持ちが根底にあります。その気持ちを図書館や本という手段で実現したいと思うようになりました。
図書館のおすすめスポットを教えてください。
ぼんさん:学芸大の附属図書館は1階から3階までありますが、誰かと作業したり話をしたりするときは、1階のラーニングコモンズというスペースを利用しています。個人で本を読んだり作業をしたりしたいときは2階に行きます。2階は閲覧座席が最も多く、エリアによって机や椅子の形、仕切りの有無もさまざまです。私が特に気に入っているのは3階ですね。主に大学紀要や雑誌が置かれているのですが、足を運ぶ人も少なく、より落ち着いた印象があるのが好みです。
1階ラーニングコモンズ
2階ソファ席と閲覧席
3階閲覧席
生涯学習コースにはどのような魅力がありますか?
ぼんさん:生涯学習そのものの考え方に触れることができるという点です。「教育」と聞くと学校のイメージが強いかもしれませんが、学びは学校を卒業して社会に出てからも続いていきます。そして、長い人生において学び続けることができるのはとても豊かだと感じます。新しいことを知ったり、経験したり、人とつながったりすることは、「嬉しい」「楽しい」といったポジティブな気持ちや生きがいにも関係してくると思うからです。
地域や社会という場所で、学びたいと思う市民への支援のあり方を「社会教育学」「図書館学」「博物館学」という3つの領域から多角的に考えられる点も魅力だと思います。
生涯学習はその名の通り、人生100年時代の学びです
印象に残っている学びを教えてください。
ぼんさん:図書館成立の歴史です。たとえば、自治体の図書館は有料制だった時代を経て市民が無料で利用できるようになったことや、昔は書庫にしまわれていて自由に閲覧できなかったことなどを知りました。図書館の設計者を招いた授業では、利用者目線で書架の配置や光の環境がデザインされていると知りました。設備面から使いやすい図書館をとらえることができておもしろかったです。
もう一つはゼミの活動です。今年度は附属小金井小学校の図書館と連携し、児童が多様なジャンルに目を向けて、これまで触れたことのない本と出会えるような取り組みを実践しました。具体的には、学生による絵本の読み聞かせをはじめ、読んでおもしろかった本を子ども同士でシェアするボックスや、ゼミ生お勧めの本を集めた「一箱図書館」も作りました。児童たちとコミュニケーションをとりながら実践的に学ぶことができ、とても充実していました。
附属小金井小学校なでしこ図書館(東京学芸大学 学校図書館運営専門委員会)
ぼんさんの思う学芸大の魅力を教えてください。
ぼんさん:学校教育だけでなく、教育支援というもう一つの大きな軸があることです。学校の組織とは一歩離れたところから教育に関わることができ、横断的に学べます。
学芸大生にはどんなイメージがありますか?
ぼんさん:自分軸で物事を見ることができて、いろいろなことにチャレンジしている人が多いです。特に生涯学習コースの同期はバイタリティが高く、自立している気がします。一人一人が学内外にコミュニティを築いていて、自らの得意分野を生かしたり興味関心を広げたりしながら活動しています。話していて刺激になりますし、「私も頑張ろう」という気持ちにさせてくれますね。
学芸大の寮に住んでいるそうですが、寮生活の良さは何ですか?
ぼんさん:とにかく安いということですね。月1万円ちょっとです。寮の周りは自然も多く、住みやすい環境です。大学からは少し離れますが、それが苦でなければおすすめです。西武線の通学定期も安いため交通費も抑えられます。上京したいけど経済的に心配な人は、ぜひ選択肢の一つに入れてみてください。
どのような進路を考えていますか?
ぼんさん:現在は民間企業への就職を考えています。人が生きることを根底から支え、自分自身がいきいきと働ける仕事に携われたらいいなと思っています。司書と社会教育士の資格を取得予定なので、大学での学びも生かしたいです。
受験生や学芸大に興味がある人に向けて一言お願いします。
ぼんさん:私の進路は少し特殊な例かもしれませんが、「進路の幅がちょっと広がった」「こういう学びもあるんだ」と思ってもらえたらうれしいです。私が図書館学に出会った日のように、いろいろ調べて自分自身が納得できる学問の道を見つけてほしいなと思います!
Vol.3では、回り道をしながらも図書館学や生涯学習の魅力に気づいたぼんさんに、受験期の体験や学芸大での生活についてインタビューをしました。一度決めた道を変えるには勇気がいることです。新たな世界に飛び込み、学び続けるぼんさんの行動力に心を打たれました。また、私にとって図書館から学びを見出す視点が新鮮だったので、ぼんさんの図書館学のお話を興味深く聞いていました。ぼんさんの体験が皆さんの進路選択に役立ちますように!
関連サイト
東京学芸大学生涯学習・文化遺産教育 受験生サイト
[社会を変えるのは学び。倉持伸江先生インタビュー]
取材/澁澤唯奈、大島菜々子、徳田美妃
編集/澁澤唯奈、松永裕香、松田千皓
イラスト/片山なつみ
協力/東京学芸大学附属図書館
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