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第九を大合唱「熱演」の復活〜学芸×第九 特別演奏会〜

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東京学芸大学音楽科を中心とした約120人が、ベートーヴェンの交響曲第9番、「第九」を大合唱する演奏会が2024年3月17日、小金井宮地楽器ホール 大ホールで開催される。今年度卒業を迎える4年生の熱い行動力によって企画され、その音楽の輪が音楽科全体に広がり実現した。筆者を含め私たちはコロナ禍で思い描いていた音楽を制限された世代だが、仲間と奏でる「音楽」でつながりを取り戻したいと、2019年まで授業で実施していた演奏会を復活させる。

思い描いていた音楽活動ができなかったコロナ禍

新型コロナウイルスの飛沫感染を防ぐため、筆者が音楽科に入学した2021年4月には音楽活動が大きく制限されていた。換気の徹底、合唱の授業はオンライン、拍手のない無観客での演奏会。静まり返ったホールに向かって演奏をするのは、なんとも言えないやるせなさがあった。演奏が終わった時にホールに広がる拍手こそ、演奏者と観客が一体となって感動や幸せを感じる瞬間であり、その空間が演奏会の醍醐味だった。コロナ禍の演奏会は、演奏者と観客あってこその音楽が途絶えた日々であった。

コロナ禍前、学芸大学の総合学芸領域科目の一つには「第九を奏でよう」「第九を歌おう」という授業があった。学芸大学のすべての学生が履修でき、学科を超えて音楽が奏でられる貴重な場として受け継がれていた。全国的にも第九を授業で行っていた大学は他にはないそうだ。授業の集大成の演奏会は学内にある学芸の森ホールで行われ、総勢300人にも及ぶ演奏者での熱演が繰り広げられていた。整理券がないと演奏が聞けないほどで、地域の住民も多く聴きにきていたそうだ。

その熱演を最後に聴くことができたのは2019年2月。その後の第9波にも及ぶコロナ禍のなかで第九が復活することはなかった。

コロナ禍を乗り越えて復活する第九

4年生にとっては学生生活最後の演奏会、運営をしながら演奏、ソロも務める。そして、コロナ禍を超えて伝統を紡いだ「復活」の演奏会。さらなる発展へ向けた演奏会になるだろう。熱演を会場でお見逃しなく。

【日時】2024年3月17日 19:40開演 19:15開場
【会場】小金井宮地楽器ホール 大ホール(JR中央線 武蔵小金井駅南口前)

【指揮】佐藤瑛吾
【曲目】
交響曲第9番/ベートーヴェン(Sop.小谷桃佳 Mez.小幡莉乃 Ten.加藤楓也 Bar.藤原改)
劇音楽「エグモント」序曲/ベートーヴェン
交響詩「フィンランディア」/シベリウス
こころようたえ/信長貴富
O salutaris Hostia/エセンヴァルス(Sop.今井律咲子 田中里佳)

【入場料】1000円(全席自由)
【チケットお取り扱い】
・小金井宮地楽器ホール チケットデスク窓口
 受付:10:00~19:00(休館日を除く)
・下記リンクからのご予約(当日現金払い)
https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSeLEY2LKSFYHAISwKPHWT_xuTLFXrkRbZL4bc8_UAWpZkvDDg/viewform

【お問い合わせ先】
学芸×第九企画運営部
E-mail:gakugei.daiku@gmail.com

【主催】学芸×第九企画運営部
【後援】東京学芸大学音楽科同窓会

 

取材・編集/澁澤唯奈