Explayground Topics
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2024.12.11
Explayground Topics
2024.12.11
人種や宗教、性別を越えて、多種多様な人たちと対話する2泊3日の「ふじさんサミット」を開催しました。サミットのテーマは「未来」。世界15カ国からの参加者が集まり、「教育」「多様性」などのトピックをもとに、未来に向けたミーティングを行ってきました。
取材した人:小芝裕子(Explayground ラボ「I am」)
なぜこのようなサミットを開いたのか。
Explaygroundラボ「I am」では、世界の子どもたちを繋ぎ、ともにワークに取組む授業づくりを行っています。
これまでの活動については、こちらになります。
「I am」のプログラムに参加してくれる海外の学校を探している中で、様々な国の教育事情を知ることになりました。
韓国
日本と気質が似ているのか、受験による圧力、いじめなどで学校に通えなくなる子どもが増加。子どもたちが自ら命を落とすという出来事をきっかけに、お母さんたちが立ち上がり、学校の在り方を見直す素晴しいオルタナティブスクールがつくられています。
カンボジア
世界中から集まった寄付により、沢山の学校が建てられたが、教える先生がいないという現状から、使われていない学校がいくつもでき、先生を育てる活動や授業のコンテンツづくりがはじまっています。
タンザニア
13歳までが義務教育期間。それ以後、
・進学には国家試験に通らなければならない
・授業はすべてスワヒリ語から英語になる
など生徒たちは勉強に追われる日々を過ごします。(その分、何のために勉強をしているのか、自分の夢を明確に持った生徒が多い)
女性の進学率はまだ低く、低年齢での出産を強いられる風習が残る地域もあります。
「学校」が抱える問題には、その国の課題が色濃く反映されています。各国の教育事情を聞かせてもらいながら、色々な国の人を集めて「学校」や「教育」について対話をする場がつくれたらと、日本を象徴する「富士山」の名前を付けた、日本発信の「ふじさんサミット」へのアイデアを膨らませていきました。
サミットに先がけて行ったオンラインによるプレミーティング1回目には、オランダの先生、インド、ルーマニア、カナダの中高生が参加してくれました。
「学校」について話していたグループでは「LGBTQ+」の理解に向け、授業でどんな取組みがされているかが話題になっていました。
インド、カナダでは「LGBTQ+」についてのプログラム(カナダには民間プログラムがある)がすでに取り入れられているそうで(インドでも都会では実施)、日本の高校生から「日本でもそのような授業が必要なんじゃないか」といった意見が上っていました
プレミーティング2回目は、ウクライナの高校生、大学生が参加。ウクライナの現状をお話してくれました。
「この侵攻が、他の国ではどう伝わっているのか知りたい」とウクライナの高校生から質問が上がり、カナダの中学生が答えていきました。
カナダは、第一次、第二次大戦間にウクライナから避難してきた移民によりできたウクライナコミュニティがある国としても知られています。今回の侵攻がはじまった時も、すぐに難民の受け入れを表明しました。
ウクライナ移民やウクライナから避難してくる人たちの存在が身近にある、カナダから見える「ウクライナの戦況」について、時間軸にそって細かく伝えてくれました。それは日本から見ていただけでは知り得ない緊迫感を持っていました。
起きている事象について、自国からだけでなく、いくつもの国の視点から捉えていく必要性を改めて感じました。他国への伝わり方、メディアの在り方についての対話も交わされました。
世界と繋がる3日間
ふじさんサミット
2024年8月6日から8日
メキシコ、スウェーデン、アメリカ、カナダ、中国、ウズベキスタン、台湾、韓国、ドイツ、オランダ、ロシア、ネパール、ベトナム、フランス、日本15カ国からの参加者
東京から電車で1時間半程の自然あふれる地に、世界15カ国からの参加者が集まり、3日間をともに過ごす「ふじさんサミット」をスタートしました。
まずは「上映会」にて、世界各地を繋いだ中継や参加者による活動の報告をしてもらいました。
・アフリカ4カ国の医療や教育現場での活動
・ケニアのスラム街からの報告
・タンザニアの学校を繋いだ中継
・地域に暮らす海外出身者と交流の場をつくる高校生からの活動報告
・ウクライナの学生からの中継
その後、参加者から上がったトピック
「学校」 「文化」 「多様性」 「LGBTQ+」 「将来の夢」
をもとにグループに分かれて対話をし、プレゼンテーションを行っていきました。
少子化が続く日本。今後、労働力不足の観点からも海外からの移住者が必要となってきます。家族で日本にやってくる、日本で結婚をして家庭をつくる、形は様々ですが、学校現場でも「クラスにいるほとんどが日本人」という環境からますます多国籍化が進んでいくと考えます。
「食文化」「言語」「宗教」など、異なるものを認めることは、それを知った分だけ価値観を大きく広げてくれます。まずは話してみること、ともに時間を過ごしてみること。
今回のサミットの中で、様々な国の同世代により「戦争」について対話をする時間を持つことができました。
この夏の異常な暑さ、各地で起こる自然災害、地球が想像しているよりはるかに変動していることを体感し、「戦争」などしてる場合ではないと考える人も多いのではないでしょうか。
大人がはじめた「戦争」に巻き込まれる子どもたち。世界中の中高校生を繋ぎ、「こちら側」と「あちら側」お互いがいる場所から見えるもの、感じることを交換しながら、「戦争」について、その先の平和な「未来」をどのようにしたらつくれるのか対話をするプログラムを新たに立ち上げることができないかと考えています。
取材・編集/小芝裕子
写真/廣瀬正樹、HONKI UNIVERSITY
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