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ワークショップ・フェス~協働の先に 実践の学び

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2026年7月5日、東京学芸大学で「Explaygroundワークショップ・フェス2026」が開催されました。このイベントは、学芸大学修士課程1年の必修科目「教育支援協働学概論」の授業の一環で、受講生が中心となって企画・運営するものです。本記事ではイベントでの体験やインタビューを通して、学芸大学修士課程における「協働」の学びについてご紹介します。

取材・編集/ H・H、伊藤萌々佳

盛況だったワークショップフェス

会場となった南講義棟のロビーを上から撮影した写真。数十名の来場者がワークショップを楽しむ様子が見える。

今年で4回目を迎えたワークショップ・フェス。大学院生とExplaygroundのLABが協働する12のチームを結成し、工夫を凝らしたワークショップを開催します。今年は昨年を上回る500人以上の来場者でにぎわいました。会場となった南講義棟の教室には、体験を待つ来場者の列ができるほどの盛況ぶり。友達同士で来た子ども、親子三世代で楽しむ家族、大学生など、幅広い世代の姿が見られました。教室のあちこちで笑顔や会話があふれ、会場全体が活気に包まれていました。

LABとは?
東京学芸大学ExplaygroundのLABは、学芸大学の教員や学生に加え、企業や地域の方など学外の人々も参加できる共創の場です。「こんなことに挑戦してみたい」、「研究テーマとして深めてみたい」、「研究成果を実践につなげたい」といった思いを出発点に、それぞれのLABで活動が行われています。
東京学芸大学Explayground WEBサイト

楽しみながら学ぶ12のワークショップ

edumottoメンバーも、3つのワークショップに参加させていただきました!

「動いてわかる!漢字のはじまり」金文きんぶんLAB

金文きんぶんとは、古代中国の青銅器に鋳込まれた、もしくは刻まれた文字のことです。「動いてわかる!漢字のはじまり」では、3000年以上前に中国で実際に使用されていた金文の文字が、現代のどの漢字に当たるのかをクイズ形式で考える内容でした。
待ち時間も楽しめるよう、教室の前にはミニクイズも設置されていました。ワークショップで出題される漢字は、小学校3年生までに習うものから選ばれており、難しく感じられがちな金文にも、子どもたちがゲーム感覚で親しめるよう工夫されています。
クイズに参加する子どもたちは、ヒントのイラストを見ながら、金文クイズに夢中で取り組んでいました。

「子ども調査隊!アンケートひろば」Be Happy Do Happy LAB

「子ども調査隊!アンケートひろば」では、参加者が将来の夢や住んでみたい家について付箋に書き、『夢の島』にそびえ立つ樹に貼り付けていました。
色とりどりの付箋には、子どもたち一人ひとりの個性や発想が表れていました。家族で参加した保護者にとって、子どもたちが普段どのような夢や思いを抱いているのかを知るきっかけにもなり、親子の会話が自然と広がる場にもなっていました。

「イーヤーサーサー♪エイサーとデジタルで広がる学び」ハイサイ・ウチナーLAB

edumottoの記事でも紹介した「さくら教室」と「ハイサイ・ウチナーラボ」とのワークショップ。太鼓やうちわづくりを通して、沖縄の文化や「さくら教室」の取り組みを知ってもらおうという企画です。さくら教室で開発した『琉球黄金もち麺』も販売していました。
会場では、初めて出会った子ども同士が「何を描いたの?」と声を掛け合ったり、互いの作品を褒め合ったりする姿が印象的でした。

「教育支援協働学概論 」を担当する先生にインタビュー

ワークショップ・フェスにはどのようなねらいがあり、「教育支援協働学概論」の授業とどのようにつながっているのでしょうか。授業を担当されている教育学講座の倉持伸江先生にお話を伺いました。

「教育支援協働学概論」の授業でワークショップ・フェスを行う目的を教えてください。

倉持先生:この授業では教育支援協働、つまり「人や組織と協働して教育活動に取り組むこと」を知識として学ぶだけでなく、実際に活動することで、実践的な力を身につけることを目的にしています。

LABの方と協働してひとつのワークショップをつくることで、異なる立場の人とコミュニケーションを取りながら、企画・実践・振り返りを行う一連のプロセスを体験します。そこには大学院生同士で活動するだけでは得られない学びがあるのです。

授業を通して学生に学んでほしいことは何ですか?

倉持先生:将来、教育支援協働に関わる仕事に取り組む時のイメージを持ってもらったり、協働するための引き出しを増やしてもらいたいと思っています。協働は、人と人との関わりです。相手がいて、その場になってみないと分からないことがたくさんあります。

頭の中で「自分はこうしたい」と思っても、相手の考えや、反応は実際に協働しなければ分かりません。だからこそ、試行錯誤や失敗、成功の両方を経験しながら、その体験を通して、実践力を身に付けてほしいと考えています。

ワークショップ・フェス当日を迎えて、倉持先生が感じたことを教えてください。

倉持先生:東京学芸大学Explayground が掲げる「遊びと学びをつなぐ」というコンセプトと、私たちの授業が目指す「教育支援協働」という考え方が、よくかみ合い、多くの方に楽しんでいただけたことが良かったです。

親子連れを中心に、子どもたちはもちろん、大人の方も参加されています。地域の関心の高さを感じますし、子ども劇場の方が視察に来られたり、コミュニティFMの方が取材に来られたりと、大学の取り組みに関心を持ってくださる方が増えていることも嬉しく思います。

大学院生たちも本当に頑張ってくれました。実際に活動することで反応を得られ、その経験を通じて、自分たちの達成感や次の成長につながる課題を見つける機会になったのではないでしょうか。 

 

編集後記

今回のワークショップ・フェスは、雨天にもかかわらず多くの方々が参加していました。会場では、親子で作品づくりに取り組み、子どものアイデアに大人が耳を傾ける姿が印象的でした。忙しい日常の中で同じことに夢中になれる時間は貴重であり、このイベントは学生の学びだけでなく、そうした時間を生み出すきっかけにもなっていたのではないかと感じます。
また取材を通して、大学院での協働的な学びは、知識だけでなく実践と、その実践に対する本物の反応があってこそ深まるものだと実感しました。

 

取材協力/倉持伸江先生、教育支援協働概論受講生、東京学芸大学Explayground