未来の学校 Topics
TEAM「子どもたちの興味が輝く学びの場に。」 中学3年生と向き合う「自分のありたい姿」
2022.08.29
未来の学校 Topics
2021.11.29
子どもたちが「先生ってかっこいい!」「先生になりたい!」と思えるような学校はとてもいい学校に違いない。学校の学びの深化、教員の働き方や教育の担い手の問題を、教員を魅力的にするという視点から解決していこうとするプロジェクトです。
本年度は学校内にコワーキングスペースを仮設し、学校外の方との接点を生み出すことで、多様な大人の教育参加を促す共創空間が生まれるのではないか、というような課題をもち進めています。
Society5.0に向けた新しい学校システム創りに挑戦していく「未来の学校みんなで創ろう。プロジェクト」。
「TEAM 先生たちがもっと輝く学校に」は、学校の学びの深化、教員の働き方や教育の担い手の問題を、教員を魅力的にするという視点から解決していこうとするプロジェクトです。そこで、今回は広告会社の立場からプロジェクトに参画する株式会社博報堂クリエイティブディレクターの上條圭太郎さんにインタビューしました。
上條 圭太郎(かみじょう けいたろう)
人材紹介会社、制作会社、フリーランスなどを経て、2015年博報堂入社。
「人の心を動かし、より良い社会を実現する」をモットーに、広告コミュニケーションから事業立ち上げまで、幅広く携わる。前例のないことに挑戦するのが好き。カンヌライオンズ、エフィー賞、ACCをはじめ国内外での受賞多数。
「未来の学校みんなで創ろう。プロジェクト」に参加した理由を教えてください。
上條さん(以下敬称略):「教育システムが良くなれば、日本の社会も良くなる。」と考えていたのが主な理由です。学校教育の外側で働いているからこそ、教師の魅力も可能性も感じていたし、意義深い仕事だなと思っていました。広告会社にいると、生活者が感じていることや世の中の流れを常に考えています。その中で、教育業界って閉鎖的に思われているし、学校教育に対しての世の中からの期待値も低いと感じています。本当は、教育が変われば社会が変わるくらい「根幹の産業」であるのに、世の中からの見られ方と本来教育が持つ可能性にギャップがあるなと思っていました。なので、人の心を動かしたり、社会の流れを生み出す仕事をやってきた経験を生かしながら、教育業界をもっともっと可能性にあふれる場所にしていきたいと思いプロジェクトに参加しました。
広告会社の経験や知見をどのように『教員の魅力化』に活かしていきたいのか教えてください。
上條:先生方とお話したり授業を観させていただいたりすると、先生という仕事は本当にクリエイティビティに溢れる職業だと感じます。1クラス35人もいる子どもたち一人ひとりと向き合いながら、それぞれの良いところを引き出していく。それも、授業をしながらです。到底真似できることではありません。一方で、学校が構造的に外と繋がりにくくなっていているとも感じます。この閉鎖的な仕組みを改善して、外の「知」や「視点」が入ることで、先生たちの魅力がもっともっと高まっていくのではないかと考えています。博報堂はさまざまな仕事をしていますが、共通しているのは「つなぐ仕事」ということ。一番わかりやすいのはクライアントの商品やサービスと生活者をつなぐこと。最近はクライアント同士をつないで新しい価値を生み出すことにもチャレンジしています。そんな博報堂が持つ「つなぐ力」を学校現場でも活用していきたいです。そうすることで先生方が持っているクリエイティビティや魅力を最大化することができるのではないかと考えています。その結果、世の中からの見られ方も変わり、学校や先生に対しての期待値がより高まっていく、それが先生方のさらなるモチベーションにもつながる、そんなことを考えています。
未来の学校では、教員以外の大人がどのように子どもの学びや成長に関わってほしいですか?
上條:最終的には子どもの学びや成長に関わることは、先生だけがすることではないと思っています。「学校にいるときだけ学べばいい」とか「勉強は先生に任せておけばいい」みたいに、凝り固まっている価値観は変えていきたいなと。その第一歩として、企業がもっと積極的に関わりながら学校教育をアップデートしていく。その過程で、「人に教えるって意外と楽しいじゃん」「子どもから学ぶことも多いな」「あれ、自分も成長してるぞ」みたいなことを多くの企業人が感じられるはずです。そんな成功体験が増えていくことで、学ぶことをずっと楽しみながら「誰もが先生、誰もが生徒」みたいな関係性になっていくんじゃないかなと考えています。最終的には、そんな「学び合い」がこの社会の当たり前になればいいなと思っています。
人と人とをつなげて教員の魅力化を行った先に、どのような未来の学校をイメージしているのか教えてください。
上條:プロジェクトのコンセプトで掲げている「好きに、挑む」。勉強って「強いる」って言葉が入っていて好きじゃないんですけど、本当は学びの原動力は己自身にあると思っています。それが「好き」っていう気持ちだと良いですよね。それで「好きに、挑む。」というコンセプトをみんなで考えました。「好き」もですが、「挑む」という言葉も気に入っています。自分が「好き」と感じたことを信じて突き詰めていくことによって、周りの人や社会にも良い影響を与えられる、ということを学校生活の中で少しでも感じられたらいいなと思っています。今は、「答えを覚えましょう」とか「試験に受かりましょう」みたいに受動的に学びがはじまることが多いですが、自分の中にある「好き」という原動力をもとに、「好きだから学ぶ」「学んだらもっと好きになって、もっともっと学びたくなる」みたいに学びの好循環が生まれ、結果自分の中のプロフェッショナリティが高まっていく、そんな学びのループが生まれたら素敵です。「好きに、挑む。」これは学校や子どもたちに限ったことではなく、社会全体を前に進める力になると思っています。この価値観の浸透と、それを実現する新しい学校の仕組みづくりを目指して、関わっているみなさんと力を合わせながらプロジェクトに取り組んでいきます。
これからみんなで創る未来の学校は、子どもたちの「好き」を原動力に挑み続けられる場所であると良いなと思いました。広告代理店が持つ「社会を観ながらつなぐ力」が、人と人との新たな価値観と出会いを生み出し学校の構造から再定義していく未来にワクワクしました。
インタビューした人:田﨑智憲(未来の学校みんなで創ろう。プロジェクト事務局/東京学芸大学大学院 修士課程1年)
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