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YOUは何しに学芸へ?

Vol.11 E類生涯スポーツコース ~学芸大生のリアル

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一年で最も寒さが厳しくなる時期の「大寒」は、毎年1月20日頃だそうです。受験生のみなさんも、そうでないみなさんも、冬の日々を楽しみつつ体調に気を付けてお過ごしくださいね。

今回はE類生涯スポーツコース、通称「生スポ」のUさんにインタビューしました。

Uさん

E類生涯スポーツコース4年

陸上競技部に所属し、七種競技が専門でした。最近の楽しみはランニング!好きな音楽を聴きながら、マラソン完走へ向けて頑張っています。今は部活を引退したので、趣味のピアノも再開しました。

YOUは何しに生スポへ?

東京学芸大学に進学を決めた経緯を教えてください。

Uさん:私の将来の夢は、民間企業と学校をつなげることです。中学生の時に、企業が学校で出前授業をしてくれる機会があって、そこでスポーツ栄養学やアスリートの食事について初めて知りました。「学校における保健体育の授業の枠を超えて広がる世界がある」という気付きから、民間企業の専門性を教育に役立てることに興味を持ち、教員免許は取得しなくても学校教育について学ぶことができるE類生涯スポーツコースに進学を決めました。

 

陸上競技中のUさん

競技中のUさん

E類生涯スポーツコースはどのような学科ですか?

Uさん:受けられる授業の幅広さと、所属する学生の多様さが魅力の学科だと思います。スポーツに関する専門的な授業もあれば、ソーシャルワークや多文化教育など教育支援について学ぶ授業もあります。どの授業でも、学校の外から学校教育への支援を考えるという共通点があります。

驚かれるかもしれませんが、生涯スポーツコースにはスポーツでプロを目指している学生から運動が苦手な学生まで所属しているんです。「自分は運動が苦手だけど、子どもたちには運動を好きになって欲しい」という思いから進学した学生もいれば、授業が無い時間を使って部活の練習に打ち込む学生もいます。多様な背景を持ちつつ自分の思いに芯がある学生たちと幅広い授業を受けることで、自身の学びも深まりますし、選択肢も広がると思っています。

スラム街で暮らす子どもたちに届けた運動会

4年間の学びで一番印象に残っていることを教えてください。

Uさん:大学2年生の時に参加したセブ島での国際協力活動が印象に残っています。学科の授業で紹介があり、それがきっかけで参加しました。世界中の子どもたちに感動の種を届けることを目標にしたプロジェクト(サイトから一部抜粋)で、運動会を自分たちで企画し、スラム街の子どもたちと一緒にやり遂げるという活動でした。

IPPOプロジェクトWebサイト

活動の中で難しかったことや工夫したことはなんですか?

Uさん:スラム街で暮らす子どもたちの多くが、ルールを守ったり協力したりする経験が少ないように感じました。私たちがフラフープを持って行くと、楽しんではくれますがみんな1人で遊んでいました。だから、まずはルールや協力というものが何かを教えるところから始めていきました。

 

運動会で実施する種目をチームに提案している様子

一方で、とにかくルールなどを決めることが良いとは限りません。大学の授業で学んだのですが、日本の体育科教育でも無理にルールを守らせてスポーツをすることは推奨されていません。なので私たちも、子どもたちの様子に合わせてルールを決めました。子どもを1人で走らせるといろいろな方向に行ってしまいます。そこで、みんなで手をつないで走るというルールにしてみると、そのまま運動会の競技になったんです。こういった工夫は、大学の授業での学びが生きた瞬間でもありましたね。

運動会を終えて、子どもたちはどのような様子でしたか?

Uさん:活動中、いつも私のそばにいてくれた女の子との会話が印象に残っています。活動の最後に将来の夢を聞いてみたら「お母さんが成し遂げられなかった警察官になる夢を叶えたい」と教えてくれたんです。今回の運動会だけでそう思ってくれたわけではないと思いますが、みんなで協力する経験を通じて彼女が警察官という夢を持つことの原動力になったのかなと想像すると、この活動のやりがいを感じました。

「夢中になることがこんなにも楽しいんだ」と感じる瞬間を、スポーツを通じて届けるという本当に貴重な経験になりました。

 

音楽に合わせてパラバルーンを披露している様子

生涯スポーツは「競技」だけじゃない

あらためて、Uさんにとって「生涯スポーツ」を学ぶ意義とはなんですか?

Uさん:「運動やスポーツが持つ可能性を考えること」だと思います。私自身は陸上競技で感じた悔しさや成功体験が、生きる上での原動力になっています。なので、もし夢中になることがないという子どもたちがいるのなら、スポーツを一度やってみて欲しいです。スポーツを通じて何かに熱中する経験を経て、自分が夢中になれるものを見つけていく。次の一歩は人それぞれでいいと考えています。

競技としてのスポーツにこだわらなくても、幅広い意味でのスポーツを通してどんなことができるのかを考えたい、知りたいという人にE類生涯スポーツコースをおすすめしたいですね。

Uさんはどのような進路に進まれますか?

Uさん:民間企業に就職します。学校の科目のなかでも保健体育科の保健分野に興味があるので、民間企業の一員として健康やスポーツに関わる仕事ができればなと思っています。それを学校教育にも還元しながら、健康教育を全ての年代に届けていきたいです。

最後に、受験生に向けてメッセージをお願いします!

Uさん:受験勉強お疲れ様です。毎日机に向かって、ペンを走らせているみなさん、偉いです!自分を褒めてあげてください。焦る気持ちもあるかもしれませんが、コツコツ努力したことは、必ず自信になります。時には息抜きもしながら、学芸大学での学生ライフに想いを膨らませてください。応援しています!

Uさんの学芸大の一日

編集後記

教員養成系の学科に所属する自分にとって「教育支援」や「生涯スポーツ」はあまり接点がなかったので、Uさんのお話はとても新鮮で、初めて知ったこともたくさんありました。「YOUは何しに学芸へ」では他にもいろいろな学科の学芸大生にインタビューをしています。知らなかった、聞いたことがなかった学科の記事も、ぜひご覧ください…!

 

取材・編集/平川璃空・石川智治
写真/Uさん提供