
YOUは何しに学芸へ?
Vol.11 E類生涯スポーツコース ~学芸大生のリアル
2026.01.13
東京学芸大学公式ウェブマガジンYOUは何しに学芸へ?
2026.03.30
少しずつ暖かくなり、新年度への期待で心が躍る季節となってきましたね。
さて、今回のゲストは、B類社会コース4年のともさんです。edumottoの学生メンバーとしても活動してきた彼は、なぜ教員を、そして「社会科」を選んだのか。その思いに迫っていきましょう。

ともさん
B類社会コース4年
専門は哲学、サークルはフットサルに入っていました。卒業論文では、エーリッヒ・フロムの愛について研究しました。趣味は読書、フットサル、ランニングです。好きな歌手は、TOMOOさんとにしなさんです。
まず、東京学芸大学を志望した理由を教えてください。
ともさん:中学3年生のころから、「教員になりたい」という思いを抱いていました。学芸大学には、教員養成系だけでなく教育支援系も含めて多様な学科があります。教員になりたいのであれば、学芸大だ!と思って、進学を決めました。また、教員免許を取るためのカリキュラムがしっかり組まれており、取得へのハードルが高くないというところも、決め手になりましたね。
そのなかでも、対話的な活動やアクティブラーニング、探究活動を取り入れた授業で、実践的な取り組みに挑戦していきたいという自分の想いがあり、それを最もよく体現できるのは中・高の先生ではないかと考えたので、B類を志望することにしました。
社会科の教員を目指したのはなぜですか?
ともさん:もともと、ニュースを見たり、さまざまな人と関わったりする中で、社会問題に興味を持っていたんです。高校時代に友人と多くの議論を交わすうちに、どうしても結論が一人ひとりの知識や意識、人間性の問題になることが少なくなかったので、社会をより良くするためには、教育が大切なのではないか、と考えるようになりました。そして、教育こそが、人の「意識」にアプローチする力を持っているのではないか、と思ったんです。さらに、社会問題をどう教えられるかを考えたとき、歴史や政治、経済など、あらゆる事柄の基盤であり、すべてとつながっている教科だと感じたのが社会科でした。
次に、B類社会コースの魅力について教えてください。
ともさん:少人数で一体感があり、居心地がいいこと、各分野(※)について多様な興味や専門的な知識を持っている同期がいることです。たくさんの刺激を受けますし、その多様さやそれぞれの個性をお互いに許容してくれるような、心地よい雰囲気があります。
また、比較的自由な時間が多いことも魅力です。授業を受けることにももちろん価値はありますが、それだけでは受け身になってしまう気がします。その点、時間の融通がきくので、自分と向き合い、それぞれが興味ある学びや取り組みたい活動へと広げていけるのが良い所ですね。
※A・B類社会科では、2年次から7つの分野(歴史学、地理学、哲学、法学・政治学、経済学、社会学、社会科教育学)に分かれ、それぞれの分野の専門性を高めるための学びを深めます。
専攻分野として哲学を選んだきっかけを教えてください。
ともさん:大きなきっかけのひとつは、1年次に受けた「哲学・倫理学概論」の授業です。先生と学生が対話しながら進んでいく授業で、学生それぞれの探究が促されていたように思います。そこから、自分自身と他者について考える身近なトピックであり、教育を考える上でも非常に重要な哲学に魅了されていきましたね。哲学は教育の基本であり、学問の基礎でもあるので、海外ではかなり重視されていますよね。
実は、社会科教育学分野と悩んでいたんです。哲学をどう教育するか、社会問題に対するアプローチなどで言えば社会科教育学を専攻する道もありました。しかし、教え方を学ぶこと以前に、自分が教員に相応しい人間なのか?と問い直す中で、自分の視線は次第に、社会そのものから自分自身へと向くようになりました。その過程で哲学への好奇心がより一層強まったので、最終的に今の分野を専攻することに決めました。自分自身がどう他者を大切にするか、社会と関係するかということを考える中で、視線はまた、社会へと向かっていったんですけどね。
専攻分野での学びが生きたことはありますか?
ともさん:学内外の活動においてさまざまな人と関わる中で、自らを見つめ直せたことや、組織のあり方について考えを深められたことですね。哲学は、自分が日常生活で抱いた違和感や疑問がすべて結びつき、それらに即して考えることもできる学問です。なので、哲学が実践的な学びとして日常の出来事に役立つこともあれば、日々の生活での試行錯誤の結果が哲学に還元されることもあり、哲学の学びと日常の活動が相乗効果を生んでいたように感じますね。
学内外で、どんな活動に取り組んでいたのですか?
ともさん:大学に入学した時から、やはり教育に関わることに取り組み、社会に働きかけられるような活動をしたかったので、edumottoやEDUPEDIAという教育系メディアでの活動を頑張っていました。自分自身の教育に関する考えを深めながらも、チームで教育について考えて、何かを作り出し、それを発信することで、本当に多種多様な人と意見をぶつけ合う経験ができましたね。

来年度からは教壇に立つともさん。目指す教員像を教えてください。
ともさん:生徒に合わせた対応ができる教員、そして、生徒の自立を手助けできる教員になりたいですね。生徒の質問に対して、難しい言葉のままで答えること、かみ砕いて答えること、曖昧に答えることなど、いろいろな対応方法があると思うんです。どれを選択すればよいかは生徒によっても違うので、それぞれの生徒に合わせられるようになりたいです。そして、最終的には、生徒が自ら気付いて、考えて、調べてと、行動できるような手助けをしたいですね。
最後に、受験生や高校生にメッセージをお願いします!
ともさん:生徒という立場で授業を受けられる時間は、後から振り返ればほんのわずかな時間で、本当に貴重なものです。ここでの経験が、将来教員になった際に授業作りのベースになっていきます。教員を目指している人は、先生としての目線も意識しつつ、この時間をぜひ大切にしてほしいです。
学校や教育について考え、自分なりの意見を持っておくことも大事です。現時点では浅い考えになってしまうかもしれません。それに、自分の考えに自信が持てなかったり、その未熟さを感じて議論をためらってしまったりすることもあると思います。でも、それを気にしていたら何もできないですし、完璧である必要なんてない。今を必死に、がむしゃらに過ごす経験が、きっと将来につながるはずです!

社会問題への関心から教育への道を歩み始め、学びの中でそれを自らへと還元させていたともさん。
インタビューでは、学びに向かうその姿勢や、自分自身を絶え間なくアップデートし続けようとする高い向上心など、大学生活で大切なさまざまなことを教えていただいたような気がします。
取材・編集/山本理功、河野百華

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