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Vol.14 B類理科コース 〜学芸大生のリアル

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今回取材したのは、B類理科コースで物理を専攻する 「ながはや」さんです。中学・高校の先生を目指し、 2027年度から東京学芸大学の教職大学院に進学するながはやさんに、これまでの歩みを聞きました。

取材・編集/居倉優菜、河野翔来、川俣優子

ながはやさん

B類理科コース4年

趣味は料理と旅行と謎解き。とにかく新しいものを見たり体験することが好きという自分の「原点」を大切に生きてます。去年(2025年)は富士登山を、今年はねぶた祭参加を達成できたので、次は何に挑戦しようかな!

「楽しい」が理科への原動力 

教育学部や東京学芸大学を志望した理由は?

ながはやさん:中学生のころから人に教えるのが得意で、同級生からも好評だったことで、教育学部に興味を持ちました。高校生のときに、通っていた予備校の先生から学芸大学を紹介してもらい、受験を決めました。

理科はいつから関心があったのですか?

ながはやさん:幼少期から『小学館の図鑑NEOシリーズ』をよく読んでいたことが学びへの関心になりました。小学校では理科に夢中で、理科の先生が実験する際は、真っ先に最前列に並んで観察していましたね。

物理を専攻することにした理由は?

ながはやさん:ズバリ、物理の1つの法則から全て導けるスタイルが自分とハマったからです。僕は元々暗記するのが苦手で……。

高校生のとき、物理の先生から法則をただ暗記するのではなく導出するプロセスを理解することの大切さを教わりました。その視点をもって法則に向き合ってみると、「世の中の仕組みを表現する方法として、法則があるのだ」と実感したんです。たとえ実験をしなくても、法則を通して仕組みのイメージが湧くようになり、 物理がより面白くなりました。

※B類理科コースは1年次に化学・生物・物理・地学から専攻を選択します。

実験装置で開発 大学物理の奥深さ

大学進学後の物理はどうでしたか?

ながはやさん:法則の導出が好きで選択しましたが、大学物理は高校物理と比べて圧倒的に導出が複雑になりました。講義中は苦労の連続でしたが、今では復習していくことで理解を深めるようにしています。物理の世界の奥深さを実感しています。

所属する研究室での学びを教えてください。

ながはやさん:X線や物理教育が学べる、Voegeli Wolfgang(フォグリ ヴォルフガング)先生の研究室に所属しています。この研究室は理論と実験でいうと実験に注力していて、よく学外の研究機関と共同で実施しています。

将来先生になったとき、「探究活動の指導に役立つ物理の知識を身につけておきたい」と感じて、マルチビーム(X線測定法の一つ)を研究・開発しています。

マルチビームとはどのようなものでしょうか?

ながはやさん:見たい対象に向けて扇状にたくさんビームを当てて、立体物を再構成する技術のことです。そうすることで、たとえば液体や生き物を観察したいときも、対象を回転させずに観察することができるんです。

どんな実験に取り組みましたか?

ながはやさん:2026年7月に研究室、東北大学、産業技術総合研究所の先生らと、マルチビームの実験をしてきました。これまで課題だったビームの強度が角度によって弱まってしまうことに対して、装置の向きを変えてみようというものです。

実験を行った施設『3GeV高輝度放射光施設 NanoTerasu』

この実験を通して身についたのは忍耐力です。なんといっても、実験装置の組み立てだけで4日もかかるうえ、数百万円単位の器具を取り付ける必要があり、非常に緊張感のある現場でした……。データを無事取り終えたときは、仲間と大きな達成感を味わいました。

先生を支えられる先生になりたい!

教職大学院を志望した理由は?

ながはやさん:学校運営について理解を深めたかったからです。中学生のとき、所属していた生徒会でお世話になった先生が、志半ばで学校を離れることになったことがずっと気がかりでした。大学3年での教育実習を経験し、教科を教える力だけでなく、学級経営や学校運営に関する学びを深める必要があると感じ、志望しました。

院進したらどのようなことを研究する予定ですか?

ながはやさん:先生を支えることは、現場の生徒たちにも還元されると思い、先生たちが活躍し続けられる学校現場をどうつくるのかを、研究テーマにしたいと考えています。

受験生に向けて

学芸大学や学生の印象を教えてください。

ながはやさん:教育について何か挑戦したい人に向けてさまざまな入り口があります。授業補助や課外活動などの学校ボランティア活動はもちろん、こども食堂や学習支援など、学校以外の活動の選択肢もたくさんあり、一緒に取り組んでくれる仲間もいます。理科生自体は良い意味でとがった人が多く、個性的な仲間からいつも刺激を貰っています。

受験生へメッセージを!

ながはやさん:悔いのない受験勉強を頑張ってほしいです。僕は学芸大学に入り、「教育現場を改善したい」と奔走している人たちの存在を知り、非常に視野が広がりました。学芸大学は夏休みが他の大学より長いので、入学後は学習はもちろん、旅行やボランティア、サークル活動に精一杯チャレンジしてみてください!

ながはやさんの学芸大学での1日

編集後記

自身の専門分野を磨きながら、学校に赴いたり授業研究会に参加したりするながはやさん。その根底にあるのは、これまで彼が出会った先生たちの存在です。教育現場をよりよくしたいという熱い想いを感じ取りました。

 

写真提供/ながはやさん
イラスト/川俣優子