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リカレント教育で学校現場に新たな風を
2026.02.17
東京学芸大学公式ウェブマガジンedumotto+
2026.03.31
2026年1月開催のキャリアイベント 「先輩の体験談から知る!教育支援職のリアル」 では、教育支援課程で学んだ3名の先輩が登壇しました。教育支援職とは、教員以外の立場から教育を支える仕事です。
(※詳しくはこちら→学生キャリア支援室ウェブサイト)
進路をどう選び、どのように現在の仕事へとつながっていったのか――。その言葉には、教育支援課程での学びを社会で生かすための具体的なヒントが詰まっていました。
行政、企業、NPOと、異なる立場で働く3人の声を通して、E類生のキャリアの「今」をお届けします。

大坪亜也菜さん
2020年3月に生涯学習コースを卒業後、厚生労働省に入庁して6年目。内閣府で児童手当の運営に携わった後、現在はこども家庭庁に在籍。放課後児童クラブなどを中心に、放課後のこどもに対する支援に携わっている。在学時は積極的に就活対策を行っていた。
自分の適性はどのように見つけましたか?
大坪さん:小金井祭実行委員として活動する中で、私は 「イベント準備やいろいろな団体との調整役をするのが好きだ」 という自分の性質に気づきました。誰かが活躍できるようにサポートする役割に喜びを感じ、事務作業やチームで動くことも好きでした。そこから自然と、 人や社会を支える仕事がしたいと考えるようになりました。
こうした経験に加えて、私はもともと、「エッセンシャルワーカー、特に子どもに関わる仕事をする方たちを支えたい」という思いを持っていました。その実現に最も近いのが公務員だと感じたことも、進路を決める後押しになりました。課外活動などの身近な経験の中にこそ、自分の適性や、やりたいことのヒントは隠れていると思います。
就活(公務員試験対策)はどのように進めましたか?
大坪さん:大学3年生の春頃から、公務員試験対策の予備校に通い始めました。費用、大学からの近さ、授業のコマ数など、無理なく続けられる条件で選びました。予備校のサービスを活用しつつ、同じく公務員を目指す友人と試験対策に励んだり、説明会や面接などの日程を共有したりして、情報難民にならないことを意識しました。
面接対策は、友人と練習を重ねることで実践力をつけました。本番では 「誰かと協働した経験」 を問われることが多く、コミュニケーション力を見られていると感じました。
また、就活生向けの座談会など、現場の職員の方のお話を聞く機会には積極的に参加しました。面接のネタにもなるし、実際に行ってみると「思い描いていた職場と違う」ということもあるため、参加する価値は大きいと思います。

勤務中の大坪さん
大学での学びは仕事にどう生きていますか?
大坪さん:現在私は、放課後児童クラブへの支援など放課後のこどもの居場所に関する業務を担当しています。学校でも家庭でもない、“地域”という第三の場 で子どもをどう支えるか。そこで生涯学習コースで学んだ社会教育の知識が大きく生きています。
また、仕事の中では学芸大学出身の方とお会いすることも多く、いろいろな場で活躍している姿を目にし、「学芸大学って面白いな」と実感します。

山田侑樹さん
情報教育コース1期生。2019年3月卒業後、東京学芸大学大学院教育学研究科教育支援協働実践開発専攻教育AIプログラムに進学。2021年3月大学院卒業後、株式会社電通総研に就職しエンジニア6年目になる。現在は企業向けの生成AIのアプリケーション開発の仕事に加えて、チームメンバーの育成も行っている。
大学院に進学後、どのように就活を進めましたか?
山田さん:就活を本格的に始めたのは、大学院1年生の10月頃でした。学部生時代の友人がすでに社会人だったので、アドバイスをもらいながら進めました。
また、就活イベントに積極的に参加し、そこで出会った学生に「どの企業を受けている?」と聞くことで、自分なりに上手く情報を集めていました。ネットよりも 友人の口コミや、イベントにおける就活生同士での会話 が役立ちました。“生の声”のほうが判断材料として信頼できたからです。
大学院生であることは、就活にどう影響しましたか?
山田さん:私は大学院でソフトウェア工学の研究をしていました。就活では、研究内容を具体的に聞かれる場面が多くありました。特に技術系の面接では、「どんな技術が使えるのか」「研究をどう実務に生かせるのか」といった、専門的なポイントまで深掘りされました。その中で、自分はしっかり答えられるという手応えを感じました。
また、就活イベントでは他大学の学生とも話しましたが、専門性の面で学芸大学が不利だと感じることは全くありませんでした。むしろ、学芸大学で培った“人と話す力・場をまとめる力”はどの場面でも強みになると実感しました。

勤務中の山田さん
教育学部の学びは、現在の仕事や後輩指導にどのようにつながっていますか?
山田さん:教育学部で学んだことは、私にとって 大きな強み になっています。 まず、E類の授業では多くのグループワークに取り組みました。その際に他のコースの学生と協働した経験が、分野の異なる人と連携して進める現在の働き方にも生かされています。
また、私は学部生時代に情報の教員免許を取得しました(※)。教育実習で作成した 指導案づくりの経験 が、人にわかりやすく説明する構成力につながっています。指導案づくりは、実はプレゼンテーションの準備とよく似ているんです。
さらに、後輩育成に携わる中で、「どうすれば彼らのモチベーションが上がるか」を考える機会が増えました。教育支援課程で学んだ相手の立場に寄り添いながら、成長を支える姿勢が、後輩一人ひとりに合わせた関わり方を意識する土台になっています。AIの影響で働き方が大きく変化する時代だからこそ、後輩が成長していく姿を見るのが何より嬉しいです。
※現在はE類情報教育コースで教員免許の取得はできません。

松永未有さん
表現教育コースを2026年3月に卒業見込み。4月から放課後NPOアフタースクールにアフタースクール拠点スタッフとして入職予定。社会教育主事資格を取得するための授業科目の一つである『社会教育実践論』を通して、放課後NPOアフタースクールと出会う。
進路に迷うなかで、最終的に放課後NPOアフタースクールを選んだ理由は何でしたか?
松永さん:演劇や表現を学ぶために学芸大学へ進学しましたが、卒業後の進路については迷っていました。そんななか、2年生のときに履修していた 「社会教育実践論」 の授業で、放課後NPOアフタースクールと出会いました。そこで放課後現場での活動を知り、興味をもちました。授業後に思い切って講師の方に声をかけ、名刺をいただいたことがきっかけで、大学3年生の秋ごろからアルバイトとして関わり始めました。
現場で出会う人の思いや雰囲気に触れるなかで、「私はこういう組織で働きたい」と感じるようになりました。そしてある日、職員の方から「新卒採用を受けてみない?」と声をかけていただき、挑戦してみようと決意しました。そして翌年1月に内定をいただくことができました。
授業での出会いがアルバイトにつながり、就職へと結びつきました。身近なところにも“扉”があるんだ と実感した経験でした。
就職活動では、どのようなことを大切にしていましたか?
松永さん:私は就職活動において、自己アピールのために特別な経験を無理に作る必要はないと考えていました。日常の中にも、自分が頑張ってきたことは必ずあると思うんです。
演劇部での活動はそのひとつでした。舞台をゼロからつくる大変さや、チームの力をどう高めていくか試行錯誤した経験は、そのまま自分の強みになりました。「就活も演劇も、どちらも“自分”。どちらも大切にしたい」。そんな思いから、就活と演劇の両立も無理なく続けられました。

勤務中の松永さん
大学の学びは、放課後現場でどのように生きていますか?
松永さん:アルバイトでは講座づくりを任されることもあり、授業で学んだ学習プログラムの組み立て方をそのまま活かすことができました。企画書を褒めてもらえたときは、「授業の学びは確かに実践につながっている」と実感しました。
春からは、小学校併設の学童で放課後スタッフとして働く予定です。将来的には、表現教育の知識を生かしながら、演劇の要素を放課後現場に取り入れ、子どもたちが自由に表現できる時間を生み出したいと考えています。
教員でなくても、子どもの成長を近くで見守ることはできます。放課後現場には、その魅力がたくさん詰まっています。
取材を通して感じたのは、3名それぞれが学芸大学や教育支援課程での学びを大切にしているという根幹は同じでありながら、その生かし方は多様だということです。”教育”は学校だけにあるのではなく、社会のさまざまな場面で求められる視点でもある――そのことを強く実感しました。進路に迷ったり、これまでの学びをどのように生かせるか悩んだりすることは、誰にでもあることだと思います。今回の記事が、みなさんの進路を考える際の一助になれば幸いです。
取材・執筆/加藤千穂、H.H
取材協力/キャリア支援課

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